みんなのプロジェクトマネジメント

メンバーが、リーダーが、マネージャーが、プロジェクトマネジメントを使いこなす。

スケジュールの作成方法

「設計」とか「製造」「テスト」といった各フェーズにおける、
スケジュールの作成方法です。

まずは、全体の作業量を把握します。
設計フェーズなら作成する設計書のページ数、製造フェーズならコーディング予定のライン数を、改修予定の規模・難易度などから見積もります。
ある程度、ざっくりした値になるのはやむ無しです。実際にやってみないとわからないこともあると思いますので。
以前のPJの結果や、社内の標準値などで類推するか、ボトムアップ的に積み重ねて計上するか。
なるべく信憑性の高い方法を用いて、全体量を数値化することが重要です。
テストフェーズで、テスト項目数がもう求まっているのであれば、それをそのまま使用できます。

次に、生産性(単位時間当たりにできる作業量)を決定します。
設計フェーズであれば「頁/時間」、製造フェーズであれば「ライン/時間」、
テストフェーズであれば「項目/時間」など。
こちらも、以前の値からの類推で算出する、
もしくはプロトタイプ的にちょっとやってみて、測定してみるのも良いと思います。

ここまでくれば、あとは単純な計算で求まります。

まず、全体の作業時間は、 ※テストフェーズを例に…
 全体の作業量(項目)÷生産性(項目/時間)=所要時間(時間)
で求めることができます。

1日8時間稼働とすれば、
 所要時間÷8=所要日数(人日)
1か月20日稼働とすれば、
 所要日数÷20=所要月数(人月)
として、各フェーズの所要工数を求めることができます。

次に、作業期限までの期間に合わせ、投入する人数を決定します。
1人ならそのままの工数となるし、2人なら半分、3人なら3分の1になります。
投入可能な人員を考慮しながら、人数を決定します。

あとは、各作業を個人に割り当てていきます。
ガントチャートなどを作成し、期間の重複が内容、作業を振っていきます。
各作業は、最長でも1週間で終わるくらいの単位に細かくしておくとよいです。
(「画面部分:4日」「ロジック部分:5日」というように。)
週次での進捗報告との親和性を持たせ、1週間ごとに、きちんと進捗が上がるようにするためです。



というのが計算上の理想論です。
実際には、上のようにきっちりはいかないと思います。
以下、かい離の原因となるリスクを3つほど記します。

・全体の作業量なんて見積もれないのだけど?
→それでも、何か値がないと、計画は立てられません。
 難易度3段階による重みづけ(半日、1日、3日とか)でもいいので、見積もってみましょう。
 実績が作れれば、次回以降その方法を利用することができます。

・1日10時間稼働とかにすれば?
→計画段階から残業を当てにしていると、いざという時に対応できなくなります。
 まずは残業なしで計画した方がよいと思います。

・人を増やしても、単純に割り算はできないのでは…?
→スキルの有無の差や、コミュニケーションの複雑化によって、
 人数を増やすと全体の生産性が落ちる可能性があります。
 完全に計算できるようなメンバで固められるときはいいのですが、
 そうでないときは、リスク値を見込んでおいた方がよいと思います。


予定通り進めるためには、計画は必ず必要です。
計画を定義すれば、その通り進めようという意識も生まれてきます。
失敗する可能性もありますが、それでも無計画にやるよりは数段良いです。
失敗したら、その原因を突き止め、次に活かせばよいので。