OJTとは?(1)
人的資源マネジメントに関連して…
現在、新人OJTを実施中の方、多いのではないでしょうか。また、OJTをやってくれと言われたけど、どうやったらよいかと悩む方も、多いのではないでしょうか。
悩んでいる人もそうでない人も、一度原点に立ち返り、OJTとはどうあるべきか、考えてみましょう。
○OJTとは?
OJTは、「On The Job Training」の頭文字をとったものです。「仕事を通じた能力強化」という感じでしょうか。この、能力強化という点が重要です。
作業を振ることが、OJTではありません。作業を通じて、その人の能力を強化する事がOJTです。
○OJTのダメな例
現場でよく見られる、OJTのダメな例をいくつか紹介します。
(1)わからなかったら聞いて
忙しい人、丸投げする人に多く見られます。
OJTを受ける側のレベルにもよりますが、普通はわからないこともわからないはずです。結局、一日中ぼんやりとマニュアルを眺めているだけ、となってしまう可能性があります。
この状況は、能力強化ができているでしょうか?
(2)時間あるとき見ておいて
振られる作業の合間に、自主的に読んでマスターできるでしょうか?いつ、どれくらい読んで、どんな理解をしたかが不明です。「読めと言っておいたのに、理解していない!」なんて、言えないですよね。
関連する作業を出したり、定着度を測ったりしないと、能力強化ができたかはわからないですね。
(3)後で役に立つから…
思いついたことをことを、思いついたときに教えるやり方です。知識が豊富で、教えるのが好きな人に多いです。1つ教えて、関連するから、後で役に立つから、とあれもこれもと教えるのですが、きっと、後になったら覚えていません。
OJTは仕事を通じた能力強化ですから、教えたことは作業により定着させるのが正しいやり方です。作業に必要な知識をその都度教え、作業によりそれを定着させるやり方を心がける必要があります。
(4)実態は小間使い
新人さんであれば多少は仕方ないですが…雑用ばかりでは、能力は向上しません。考える必要のない作業ばかり振っても、能力は向上しません。そればかりか、言われたことだけやる、指示待ち型に育ってしまいます。
最初は簡単なものから、徐々に考える領域を増やして行くことにより、自主的に考える人が育ちます。能力強化のための作業を出すことを心がける必要があります。
以上、ダメなパターンを4つ紹介しました。自分もそうですが、やってしまったこと、あるのではないでしょうか。
いずれも「能力強化」という視点が欠けているものと思います。OJTは「能力強化」であることを念頭に置いて進める必要があります。
ここまでを理解した上で、さてどのように進めていくか…を、次回解説していきたいと思います。