プロジェクトマネージャ試験:午後Ⅱ試験
※試験全般については、以下にも記載しています。
高度試験試験で、「午後Ⅱの論文が苦手!」と思う方も多いと思います。
春の試験まであと1か月と迫っていますので、何か役に立つかと思い、
私が合格した試験(H26春)にて、実際に記述した論文の骨子を紹介します。
実際に記述した論文を再現しています。
拙いところもあると思いますが、これでも合格となっています。
記述レベルの面も含めて、参考になればと思います。
※斜体は解説コメントです。
<選択した問題>
H26春・PM2・問2
※問題はIPAのページからダウンロードしてください。
<設問ア>
1.1 プロジェクトの特徴・プロジェクト組織体制
法施行に合わせてシステムを稼働する必要があるため、納期厳守のPJであった
当社の業務拡大のため、「リーダーの育成」が経営者から求められていた
※PMより上位者から課せられた制約です。
若手のA氏に、1サブシステムのリーダを任せることとした
※「組織体制」に反応して、こんなシチュエーションになっています。
1.2 要員に期待した能力
納期厳守のため、「チームの進捗を正確に把握する能力」を期待
※1.1の「納期厳守」を受けています。
※設問通り、「○○の能力」と言い切ります。
スケジュール通りに作業を進め、完了することが目標
<設問イ>
2.1 要員に期待した能力が十分に発揮されていないと認識した事態
進捗管理に、EVMを使用。数値で進捗の進み・遅れを検出することができるため
ある日、全体の進捗状況を確認したところ、
A氏チームのEVM数値が、「SV<0」の状況であることを発見した
※進捗といえばEVM。EVMの知識をアピールしています。
※書き出す前のメモでは「CV」のことも書いていたのですが、
要員追加したら赤字になるじゃん…と考えて消しました。
「コンティンジェンシー予備を使い」なんて書くことも可能なのでしょうが、
不利な状況は書かないことも重要かと思います。
A氏に確認…自分の作業に追われて、数値の確認ができていなかった
※設問の「要員の取組状況」を受けています。
リーダの仕事ができていないんですね。
進捗遅れを見逃している…期待した能力が発揮できていない状況と判断した
※ここでも、設問の「発揮できていない事態」という言葉を引用しています。
2.2 立案した対応策とその工夫、および対応策の実施状況
EVMの見方をおさらい。上記の数値が何を表し、どういう状況であるかを考えさせた。
その後、上記の状況となっている原因を確認することを命じた。
※対策立案のためには、原因を突き止めることが必要。
その際、数値だけでなく、遅れているメンバや、チームの他のメンバと、
直接話をするように、工夫することをアドバイスした。
※要員間のコミュニケーションが重要であることを盛り込んでいます。
A氏の確認の結果、
問題があっても、聞く人がいない
A氏が忙しそうで、話しかけづらい
という問題を突き止めた。
これを聞いて、A氏の負荷分散を行うこととした。
サブリーダを立てて質問対応させる
A氏作業を分担できるようなスタッフの追加
※原因を取り除き、進捗を取り返せるような対策をとる
上記対策により、メンバの手が止まるような事態を解消。SV<0の状況を脱した。
その後は問題なく推移
<設問ウ>
3.1 事態が発生した根本原因
A氏のリーダ経験が浅く、EVMの見方、進捗の吸い上げ方についての
指導が不十分なまま、PJを開始してしまった。
※実際の論文では、「不十分なままリーダに任命してしまった」と、
PM責任になりそうな文章を書いてしまいました。
ちょっとやばいかなと思いましたが、大丈夫でした。
3.2 再発防止策と実施状況
A氏が躓いた点を、他サブシステムのリーダにも展開
社内リーダ育成研修の例として紹介する
※設問ウはだいぶ月並みですね。字数を埋めることに精一杯でした。
こんな感じです。
設問アで制約を、設問イでEVMの知識を入れたことで、
多少見栄えのする論文になったかと思います。
代わりに設問ウは月並みです。最後まで書けたのでよしとしましょう。
・リーダ育成の制約→問題の発生
・納期厳守→EVMで進捗管理
のあたりは、論文試験のネタになるのではないかと思います。
これから論文試験を受験する方へ、参考になればと思います。