OJTとは?(3)
OJTの記事第3弾です。
今回は、もう少し具体的な例を出して、解説していきたいと思います。
※前回の記事です。
※前々回の記事です。
○OJT計画の具体例
前回の記事にて、4つの要素を紹介しました。これらの具体例を見てみましょう。
①いつまでに
これは、OJTの目的によりけりです。
新人OJTを行うならば、次の新人が入るまで、「来年の3月31日までに」という具合に、具体的な期日を設定します。
②こんなことができるようになって欲しいので
①で設定した期日までに、達成してほしいことを、具体的に考えます。あいまいなゴールとならないように気を付けて。
「設計書を見ながらプログラムを作成し、単体テストを完了できるようになる」というような内容を設定します。
③こんな能力を強化する
②を達成するための、具体的な要素を考えて、どんどん挙げてみましょう。
「設計書を見ながらプログラムを作成する」ためには、
(a)設計書の記載内容がわかる。設計書の同士の関連がわかる。
(b)プログラム言語仕様がわかる。
(c)SQLが書ける。
(d)データ構造がわかる。DBにどんなデータが入るかがわかる。
(e)開発環境を使用して、プログラムが書ける。コンパイルができる。
といった能力が必要ですし、
「単体テストを完了できるようになる」ためには、
(f)プログラムを実行できる。
(g)単体テスト項目が定義できる。
(h)エラーコードから、エラー箇所を特定できる。
といった能力が必要と思います。
④そのために、こんなことを教え、こんな作業をやらせる
あとは、③で定義した能力を強化するために、やるべきことを考えます。
これが、OJTとして与える作業、または教えることになります。
・テスト仕様書を見ながら、テストを実施する →(f)
・不具合箇所を調べさせる →(a)(h)
・不具合のあった箇所を直させてみる →(b)(e)
・コンパイルして実行環境を作成、テスト環境にリリースする →(e)
という具合に、出せそうな作業をピックアップして、どの能力の向上に寄与するかを、割り当てていきます。作業を出したり、教えたりを繰り返して、③で挙げた能力を向上していくのです。表形式にしておいて、どんな作業を出したか、どんなことを教えたかがわかるようにしておくとよいでしょう。そして、状況を定期的に確認し、どの能力が強化できているか、できていないかを見極めるとともに、定着度を測っていくとよいでしょう。
OJTは「能力強化」が目的です。
実施させる作業が、Goalまでの道のりとなるように、作業を計画していきましょう。
また、「こういうことができるようになってほしいから、この作業をさせるんだよ」と伝えることも重要です。ただの小間使いではなく、戦力として期待していることを伝えましょう。ポイントが明確になり、よく身につくようになります。