みんなのプロジェクトマネジメント

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マズローの欲求5段階説

自チームのメンバーに、どんな作業を任せるべきか?どんな教育を与えるべきか?
に悩むこともあるかと思います。
特効薬ではありませんが、方針を立てるための知識として、
動機づけ理論のひとつ、マズローの欲求5段階説」を紹介します。

マズローの欲求5段階説
 個人が叶えたいと思う欲求は、大きく以下の5段階に大別されます。
 
  5:自己実現の欲求 …自己を成長させたい。実現させたい。
  4:尊重の欲求   …他者から認められたい。
  3:社会的欲求   …他者との関係。集団への帰属。
  2:安全の欲求   …生命や収入の危険から身を守りたい。
  1:生理学的欲求  …生存に必要な、衣食住が欲しい。
 
 数字の大きいものが上位の欲求で、下位の欲求が満たされると、上位の欲求を満たそうとする、というのがマズローの欲求5段階説です。

これを、システム開発チームに当てはめてみると…
「1:生理学的欲求」「2:安全の欲求」については、会社務めをしている場合、既に満たされている場合が多いと思います。
(例外も思いつきますが、、ここでは記載しないことにします。。)

まず、「3:社会的欲求」ですが、これは主に新入社員や、新しくチームに加わった人が該当すると思います。
この段階では、まずはチームの一員として働くことができるようになること、戦力になりたい、ということを考えていることが多いと思われます。
ですので、一人で基本的な作業が行えるような教育や、比較的簡単な作業を振るべきです。
時には手取り足取りで、しっかりついていてあげることも必要です。実はそれ自体が、集団への帰属を満たす方法でもあります。しっかりケアしてあげましょう。

次に、「4:尊重の欲求」です。この段階に来る頃は、作業を一通り覚え、一人である程度できるようになっています。
そうなると湧いてくるのが、もっとスキルを向上させたい、能力があると認められたい、という欲求になります。
この段階では、徐々に難易度の高い作業を与えていくことが重要です。本人のスキルを高めるとともに、難しいことをやり遂げたことで、あいつはこんなことができるようになった、と認めさせる材料になります。
ただし、まだまだ成長途中です。やり遂げるためのアドバイスをしっかり行いましょう。

最後に、「5:自己実現の欲求」です。この段階では、能力が十分につき、周囲からもそれを認められています。
そうなると、いつまでも言われたことをこなすのではなく、自分の考えた方法で進めたい、実現させたい、という欲求ができてきます。
この段階に来たら、思い切って作業を任せてみることです。明確なゴールのみを与え、そこまでの道のりを考え、進めてもらうようにします。
ただし、投げっぱなしではいけません。要所で確認を行い、ゴールへの道筋が正しいかを見ていきます。
…が、過度に手出しをしてはダメです。どこがいけないかを考え、修正してもらうようにします。
こういった経験を積むことで、判断力や応用力を養い、リーダーとして独り立ちしていく、という流れになります。

以上のように、欲求が順次変わっていくことを理解し、対象者がいまどのフェーズにいるのかを見極めた上で、適切な教育や作業を与える必要があります。
対象者のフェーズの見極めはとても難しいです。フェーズの間にいる人もいるでしょう。一番確実なのは、本人に聞き取りを行うことです。どんなことをやりたいか、どんな時に楽しいと感じるか、を聞き取り、育成に役立てていきましょう。