みんなのプロジェクトマネジメント

メンバーが、リーダーが、マネージャーが、プロジェクトマネジメントを使いこなす。

金メッキ(過剰品質)

PMBOKにも出てくる、「要求以上のものを提供する」ことです。

要求を満たせないことにより、品質が悪いと判断されることを説明しましたが、
その逆、要求以上のものを提供したら、品質が良くなるのか?
答えは自明です。良くはなりません。
こんな要望はなかったけど、あった方がいいと思うから入れておこう、
として追加した機能にバグがあったりしたら逆効果…目も当てられなくなります。
そもそも、要求にないものは使われないかもしれません。

要求を満たすことにより、作業の価値が創出されます。
それ以上のものを作っても、付加価値がつくとは限りません。

品質についても同様です。
多くのPJでは、品質計画として、
「このくらいの時間レビューする」「このくらいのテスト項目を実施する」
といった指標が決められていると思います。
この指標を大幅に超えた作業をしたからと言って、その分だけ品質が上がるとは限りません。
費用対効果はどんどん悪くなっていきます。
一般的に、50→55にするコストと、90→95にするコストは全然違うといわれています。
品質計画として、「80」を目指すと決めていたのであれば、ここを目指すべきです。
これ以上は過剰品質(金メッキ)となり、納期遅延・コスト悪化の原因となります。

というわけで、PJで決められている品質計画を意識して、作業を進めることが重要です。
品質計画は、多くはコストとのバランスが取れたものであるからです。
計画で定められた指標を意識しながら、その中で最大限の効果を発揮するような作業を行っていくことが求められます。

例えば…
テストであれば、同じようなロジックを通る複数のパターンは、どれかに寄せてしまうとか、
ただ漠然とレビューするのではなく、間違えやすい点を事前に抽出し(バグ傾向などを事前につかんでおく)、そこを中心にレビューするとか。

ただ項目や時間を増やしても、品質は上がりません。
コストとバランスを取り、効果的な対策を打っていくことが必要となります。